年末年始の救急医療
- Shiho Hashitsume

- 2018年10月19日
- 読了時間: 6分
乳幼児や幼児の親御さんにとって、年末年始はかかりつけ医が休日となるので、不意の風邪や高熱がでるとついつい困るのではないでしょうか?9時~正午までと記載してあったとしても、実際は11時30分までにINしなければ、午後の部へ回されるのでご注意を!
年末年始はバタバタしているので、帰省しても親が幼児の熱に気付くことはもちろん、周囲の大人たちも気づくことが出来ずに幼児たちは年末年始を過ごすことがあります。3歳のAちゃんは、お母さんとお父さんと一緒に北海道から九州までreturnしてきたのでした。31日にINし、1日~4日までママの実家で過ごすのですが、朝起きてきても、すぐにパジャマからお洋服に着替えずにグズリました。話し方もべったりと赤ちゃんみたいでした。Aちゃんの家庭は、お母さんとお父さんは共働きなので、お母さんやお父さんが有給をもらった平日でも、保育園に預けられていました。
「赤ちゃんがえりやな」など舅からも言われます。ばあば、ママ、パパたちまで、ダダをこねるAちゃんを少し困った子供を扱うようになっていきました。Aちゃんは、ごはんや水を口にするものの、飲みこまずに吐き出すのでした。もぐもぐするものの、すぐに吐き出してしまうのです。お母さんは年始のみんなの前で吐き出したAちゃんを、強くしかります。
「どうして赤ちゃん返りするの!朝から着替えないし!」「赤ちゃん返りやな。しゃあないなあ。」など、Aちゃんを非難する声が大きくなっていきました。しまいには、じゃじゃ馬娘だと言う人まで出てきました。Aちゃんは、お菓子のかっぱえびせんは、お口いっぱいにほおばり食べるのでした。ママはお菓子を食べるAちゃんを叱りました。ハイチュウを2個いっぺんに食べてしまい、もぐもぐさせたAちゃんは、ハイチュウまで吐き出してしまいました。
結局Aちゃんは年末年始のうち、お菓子を少し食べた以外は、食事はもぐもぐしただけで、1日のうちで一口ほどしか食べませんでした。水分も一口ほどでした。美味しいイクラやまぐろも食べませんでした。イクラについては、1粒2粒好んで食べていました。唇にくっついたイクラを面白がって、みんなに見せに回っていました。
年始では、他の親戚もやってきたので、その時にバアバから去年クリスマスにもらった長い長い絵本を、絵本を見ずに暗唱しました。みんなから喝さいの拍手がありました。Aちゃんはかなり興奮していました。
年始のある日、親戚たちはAちゃん合わせて8人ほどと、合流してきた姑の友達のYさんと9人ほどで、温泉に出かけました。帰ってきたAちゃんはほっぺが真っ赤でした。「いい顔色になったね。ここは寒いから(温泉にお出かけできて)よかったね。」と口々に言いました。
姑の友達のYさんは、温泉で温まったものの、家が肌寒かったので寝る前にもう一度お風呂につかりました。お風呂から出てきたものの、喉が渇いたのでお茶を沸かしている最中でした。ふと時計を見るともう夜中の2時を過ぎていました。
突然扉が開いたかと思うと、AちゃんとAちゃんのママが現れました。「(Aちゃんが)喉が渇いたというから。」AちゃんのママはAちゃんに聞きます。「喉がかわいたの?」「お茶ほしい。」「今度は飲めるかな?」
Aちゃんのママはお茶をわかすために、お茶の葉を探しに部屋から出ました。姑の友達のYさんは、お茶を一気飲みしたら、すぐに寝ようと思っており、立ち飲みしていたのですが、急にAちゃんがしっかりとした口調で、こう言いました。
「ここに座って。」Aちゃんのお迎えの席に座ることになったYさん。改めてAちゃんを見ると、Aちゃんは満面の笑みですが、ほっぺがピンクを通り越して真っ赤になっていました。Yさんはふと、もしかしたらという思いがよぎりました。Yさんは救急箱から大人用のガラス版の体温計を取り出しました。Aちゃんの脇にあて、1分もたたないうちに、なんと体温計は39℃を上回ったのです。
年始にただならぬ心配の風が吹き荒れます。とにかく朝まで待とうということになり、とにかくAちゃんを横にならせようということになりました。Aちゃんのママはこう言いました。「インフルエンザやったりして?」またもや不吉な風が吹き荒れるようでした。Aちゃんのママはマスクをして、Aちゃんと横になりました。Aちゃんは聞き返しました、「どうしてママはマスクしているの?」「Aちゃんがマスクしたらしんどいから、ママが替わりにしているのよ。」バアバは答えました。Aちゃんは苦笑いしていました。
ぐずっていたのも、ごはんを年末から一口も食べなかったのも、熱が原因だったのかもしれないと思ったのですが、どうやら、ごはんを食べないのはAちゃんの日ごろの癖のようでした。
保育園からも相談があったのでした。いつか食べるだろうと放置していたのもの、全然食べないので、2日目の夜にはもぐもぐペーをするAちゃんを見るのはみんな辛いのでした。どうやって栄養補給をしているのかは、謎なYさん達でしたが、今はそんなことよりも、Aちゃんの高熱が気になるのでした。
翌朝になり、Aちゃんは自分が高熱を出しているので、みんなが大騒ぎしているのに気付いたようでした。それにもかかわらず、Aちゃんは3歳なので、高熱が出ても飛び跳ねていました。Yさんは、翌朝の9時前から1時間くらいずっと救急病院へ電話をしていたのですが、込み合っているので全然つながりませんでした。やっと電話がつながりました。受診する人が多いので、かなり待つ必要があるとのことでした。
お昼前には熱が37度まで下がったので、インフルエンザではないだろうということになりました。ママは、わざわざ救急病院へ行くのもなんだかなと言いだします。再び悪化してはいけないからと結局、ママはAちゃんを救急病院へ連れていくことになりました。その時11時45分。
Aちゃんのママのママが見た情報(家の柱に数年前に貼りつけた切り抜き)では午前の部は正午まで、午後の部は15時から20時までとあったので、今から行けばギリギリ間に合うのではないかということになり、出かけていったのでした。結局、11時30までにINしなければいけなかったらしく、結局再度、午後3時に来てくださいとのことだったのでした。帰ってきたAちゃんのママは不機嫌でした。そして、また親戚のバトルが始まるのでした。
Aちゃんのママの言い分は、どうせ調べてくれるなら、何時までにINすればいいかまで(Yさんに)聞いてほしかったということ。救急病院に電話したのは姑の友達のYさんだったのでした。一方、Yさんは昨日から、真っ赤なほっぺになっているAちゃんの変化に気付かないAちゃんのママに苛立ちを持っていました。
さらにYさんんは、高熱が出た地点で、翌日朝一番にAちゃんのママが、当然Aちゃんを病院に連れていくと思っていたので、正午近くまで病院に連れていかないなんて、想定外だったとのこと、だからギリギリの場合の時間まで聞かずに電話を終了したとのこと。
Aちゃんのママのママ(旦那にすれば姑)は、(AちゃんのママがYさんに反論するなら、)それならネットで検索するなりして、Aちゃんのママは自分で確認すればよかったのではと、Aちゃんのママ(娘)をたしなめました。
ここで、Aちゃんのママは反論、そんなことしたら、まるでYさんの情報を信用していないみたいじゃない?年始にINしてから、また親戚たちの101回目のバトルは続いていくのでした。ママ、Yさん、姑、それを止めに入る人たちも絶叫でした。Aちゃんのママの旦那が止めにはいると、それをかわきりにママは、普段の夫への募っていた不満があったのか、夫婦喧嘩まではじまりました。バアバは、緊急病院なら、少しくらい時間が押しても診察してくれてもいいのにと言います。
それを聞く3歳のAちゃんが知恵熱を出すのもしかりというところでしょうか。さらに、Aちゃんの周囲では、他の親戚の4歳の子供と2歳の子供がちょっかいを掛けてくるので、うれしさと興奮のあまり、追い掛け回さなければいけません。
子供と言えども、年末年始は知恵熱や疲労が出るのかもしれません。





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