人生初の映画
- Shiho Hashitsume

- 2018年10月18日
- 読了時間: 2分
まさるが初めて映画館へ行ったのは、小学校6年生の時。父と母に連れて行ってもらった。「博士の愛した数式」これが初めて見た映画だった。主人公の母は家政婦で、博士のところで働きに出かける。まだ10歳の主人公が一人で母を待つのはよくないと、博士の配慮から、主人公も一緒に博士のところへ通うことになる。博士は元数学者だが、80分しか記憶が残らない、事故による後遺症があった。主人公は博士にルートと名付けられ、数字の魅力を教わる。
ある日、母が博士の義姉と口論になったとき、博士はこう言って2人をたしなめた。子供は大人が考えているよりも悩みが多い、そんな子供の悩みを増やすようなこと(口論)はしてはならない、そんなシーンだった。
まさるの父親も幼いころ、とても苦労していたらしい。そのことを、母もまさるも父から毎日聞かされていたこともあり、まさるは父への不憫さと、こっぱずかしさから、数式のことは全く分からなかったが、席にいてもたってもいられなくなるほど心苦しかった。
主人公、主人公の母親と博士はこれからも、親交を深めていく。そして主人公はやがて数学教師になる。映画は最初から最後までゆっくりとした流れで、心地よさと温かさが残る映画だった。ただ1つを省いては。
主人公が母親を勇気づける場面があった。主人公は、「お母さんは(どんなことがあっても)美人できれいだから大丈夫!」そう言って励ます場面だった。このシーンの時、父親は何度も何度も咳払いをしていた。そういえば父親の母親つまり、まさるにとって祖母は、父親が祖母に似ていることからも分かるように、美人からは遠すぎる人だった。そのシーンまでは、父親は自分の過去に照らし合わせて見れていたのだろう。
しかし、そのシーンで現実に引き戻されたらしい。まさるは6年生ながら、父親のこっぱずかしさが手に取るようにわかったのだった。幸いまさるの母親は美人なのだが、まさるは父親似なので微妙な心境で、やはり父をいたたまれなく思うのだった。





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